メッセンジャー【メッセンジャー全曲解説⑤】

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『ああ、今日も、君は綺麗だ!』

 

この曲ができた日のことは今でも鮮明に覚えてます。

なんにもなくなった梅雨の日。無心に、無感情に、ただただあてどなく曲を書き続けていた頃でした。

培ったテクニックを駆使して作る曲は、どれもこれもよく言えばどっかで流れてそうな。悪く言えば誰でも作れるような凡庸なものばかり。どんどん気を落としながら、これが俺が学んだ商業音楽だ!と自分をごまかし続けるように。今思うと、ひたすら絶望していたのだと思います。

無力な自分に、夢も希望もなくなった音楽に。


その日できた数曲を、夕食を食べながらプレイバック。
「ボツ」「保留」「OK」を振り分けていきます。
愛着も愛情もなく、客観的な取捨選択。それはそれで、プロとしては必要な目線だけど。
そんな中でこの曲は、なんとなく「どれとも違う」空気がありました。

たぶんそれは、僕が久しぶりに味わう「この曲好きだ」の感覚だったのだと思います。

 

夕食後は基本的におとなしく寝るんですけど、その日はそのまま、この曲のアレンジ、作詞に取り掛かりました。
「この曲でならもしかして、本当のことを言えるかもしれない」
気持ちの高ぶりを素直に、音や言葉に乗せて、明け方まで夢中で書く。

 

孤独、不安、後悔、悲しみ、絶望、
愛情、友情、外の景色、大切な人たちの言葉、ぬくもり。

「ああ、今日も君は綺麗だ」
僕を支えてくれた、僕に寄り添ってくれた、僕を応援してくれた、好きになってくれた、たくさんの人たちの顔。
そして一人、僕が恋をしている女の子のまぶしい笑顔が浮かんでいた。

穏やかで幸せな日々も、突き刺すような後悔の日々も、
どんな時でも、心に音楽が鳴っていた。
誰のものでもない、僕だけの。
それを誰かに精一杯伝えた時の、最高の空の青。

 

 

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悔やんだ日々のかけらを 拾い集めよう
たまには遠回りして ふざけたりしながら
時は 夢のように過ぎてゆく
さよならもちゃんと言えないまま
それでも今を 美しい今を
明日に向かう君へ

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息もできない暗闇の中で留まっていた、想いが次々とあふれて。
書き上げた歌詞を、朝日の中で口ずさみながら、たくさん泣いた。


俺だ。俺しかいない。
この瞳に映る最高の空を、誰かに伝えられるのは。
俺しかいない。
大切な人に、大切だと、大好きだと伝えられるのは。
俺しかいない。
君が居るだけでどれだけ救われたかって、こんなに大きな「ありがとう」を伝えられるのは。

 

心の中で、忘れていた全てを取り戻していくような感覚。

タイトルは「メッセンジャー」。

僕が音楽をやる、理由そのもの。

眠りについて目覚める頃には、
昨日までの絶望が嘘のように、心は光に満ちて。

 

もう何も、心配はいらない。


メロディーを紡ぐ声に、
伴奏を鳴らすギターに、
キーボードを打ち込む指に、
希望が、愛が宿る。


僕はメッセンジャー

音楽に、人の心を救う力があるということを、誰よりも知っているから。

この景色を、君にも見せたくて。
この想いを、君に伝えたくて。

ただ精一杯で、歌うんだ。

 

 

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